2008年07月22日
キャノンボール
キャノンボール・アダレイのアルトサックスは、
卓越した即興演奏のフレーズと、
独特のブルース感覚から、
ファンキー・ジャズと呼ばれる世界を、
紡ぎ出しています。
旧式大砲の丸い砲弾または弾丸(急行)列車のことを、
CANNONBALL(キャノンボール)といい、
大柄で丸々した体躯のジュリアン・アダレイには、
ピッタリの形容で、つまりあだ名なのです。
フロリダの高校音楽教師だったキャノンボールは、
夏休みに弟、ナット・アダレイと一緒に行った、
ニューヨークの新しいジャズクラブ、
『カフェ・ボヘミア』で飛入り演奏をしました。
無名の音楽教師は、そのバンドメンバーを始め、
聴く者を唖然とさせるくらいの見事なアルトサックスを、
披露していきなり、ジャズシーンのトップに躍り出ました。
『ワルツ・フォー・デビー』、
『ノウ・ホワット・アイ・ミーン』などでは、
ビル・エヴァンスの端正な澄んだピアノと、
いかにもキャノンボールらしい、明るく、張りのある音色が、
秀逸な演奏になっています。